雑談が上手くなる方法とコツ【上手い人と苦手なひとの意識の違い】

雑談している男女

雑談が出来る人=コミュニケーション能力が高い人。そんな風になんとなく理解はできているけれど、上達に苦戦するかたが多いのも事実です。

そして、テレワークが進んでいる昨今、ますます雑談の重要性が増しています。

雑談に苦手意識を持つ人と上手い人の差について学び、雑談力の上げ方を知れば誰でも会話上手になれます。

雑談の意味とメリット

恩を返しきれないと思えたメンターは複数人いますが、会社を創業して5年くらいたった際にお食事させていただいた方のご助言は今でも大事にしています。

そのお方は、当時時価総額3,000億円超え、誰もが知るサービスの取締役を務められていた雲の上の人物でしたが、唯一アドバイスを頂けたのが「雑談を大事にしなさい。」でした。

当時はすぐに肚落ちできませんでしたが、今ではその意味がよくわかります。

生産性を向上させる

雑談の力は偉大です。雑談がある組織は雰囲気が明るく、成果を上昇させるのに役立ちます。実際、雑談は生産性を向上させるというデータが実証されています。

日立製作所勤務の矢野和男さんの働き方データの研究結果では、雑談が弾んだ場合、雑談をしたメンバーだけではなく、組織全体の生産性が30%向上しているとレポートしています。

雑談が弾む日は売り上げも増。働き方をデータで改革(外部サイト)

報連相しやすい環境をつくる

雑談の最もわかりやすい利点は「相談しやすくなる」ことです。普段相談に億劫になったり、相手の時間を奪うことに迷いが生じているメンバーも、雑談というきっかけがあれば心理的負担がなく相談できます。

雑談に目的をもつことは重要ではありませんが、目的意識はもって意図的に雑談することは管理職にとって必然の行為と言えます。

雑談が苦手な人と上手い人の差

苦手なひとは話をしようとする、上手い人は役割を考えている

雑談に苦手意識があるひとにかぎって、「自分の話が面白くなくて...」という発言をします。『会話上手は相手が主語。会話が下手なやつは自分が主語』であり、相手はあなたの話が聞きたいわけではないという真実をわかっていません。

雑談がうまいひとは、自分の話なんかに着目していません。相手と自分、もしくは周囲の中での自分の役割を考えているだけです。

苦手なひとはモノやコトを考える、上手いひとは相手の気持ちを考える

雑談が下手な人は、相手のはなすモノやコトに集中してしまいがちです。内容に注目するのではなく気持ちに注目することが大切で、先を急がず何に共感してほしいかを探すべきです。

また、話し上手にみえて不快感や違和感を与える人は、話の途中でマウントをとろうとする人です。

相手の話に同調するつもりが「自分はこうです!」「自分はこうやってる!」という承認欲求を発揮します。相手のモノやコトではなく、気持ちに着目すればマウントするミスを避けられるようになります。

苦手なひとは無理に共通点を探す、上手い人は相違点に注目する

雑談や商談のアイスブレイクなどで、共通点を探せ!とアドバイスをする方も多いと思います。しかしながら共通点を無理に探すことは難易度が高く、そもそも雑談が苦手な人は共通点探しが苦手な人です。

共通点よりも相違点に注目しましょう。そうすれば自ずと「どうしてそんな風に考えるのですか?」という深堀の質問がでてきます。共通点探しは「自分もこう思っていて、こんなことがあったんですよ!」という話の横取りにも繋がるの危険です。

雑談力の高め方とトレーニング

相手に集中する

目の前の人に集中しましょう。コミュニケーションの基本は「相手が主語」。雑談上手な人は、今、自分の視界に入っているひとに集中します。

ヨコとタテを意識する

いろいろな話題のなかで相手の興味を探り(ヨコの動き)、相手が興味を持ったポイントや学習形成のあるトークを見つけたら深ぼる(タテの動き)ことが雑談を盛り上げる基本の流れです。

承認をつねに練習する

雑談力を上げるのに最もかんたんな方法がSNSでいいね!を押すことです。いいねを押せないのは、「なんだその自慢…」「おれのほうが上」「その話してどうするの?」という自分目線が入り込んでいることが多いです。

たとえ興味がなくても、無意識にいいねを押せるようになったら、は自己欲求をおさえつけ人を承認できるようになった証拠です。

アメトークを見る

アメトーク、めちゃくちゃおすすめです。雑談バラエティの最高峰であり「まわすひと」「話すひと」「聞くひと」の役割を学べます。雑談が苦手な人は、聞く人の真似から始めましょう。リアクションや顔の向きに注目です。

聞く人役ができるようになったら、今度は個々人の役割に着目し、雑談の場で空いている役割を自分が担えるように真似してみましょう。

2種のクエスチョンを使い分ける

  • オープン・クエスチョン:Yes、Noだけでは答えにならない質問
  • クローズド・クエスチョン:yes,noが答えになる質問、二択を迫る質問

雑談する際に覚えておきたいのが、質問の仕方です。質問には大きく2つの方法があり、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンに分かれます。

主張が強い相手にはオープン、主張が得意ではない相手にはクローズドから質問を行うことで雑談が発展しやすくなります。

雑談力は相づちで上げられる

頷きと相づちを練習する

雑談力を鍛えるにあたり、増やすべき語彙は共感の言葉であり、相槌(あいづち)コメントです。

うなずきや短いコメントは、相手に話しやすくさせる役割を持つだけではありません。聞き手が効きたい情報を、話し手に話させるように仕掛ける役割も持っています。頷き+短いコメントは、話しやすい空気をつくるうえで欠かせません。

「さしすせそ」の相づちを覚える

さ・・・最高です!さすがです!
し・・・知らなかったです!
す・・・すごい!すばらしい!
せ・・・センスすごっ!せかいいち!
そ・・・そのとおりですよね!そうですか!

これを言っておけば、効果抜群の相づちフレーズです。飲み会の場などでは「マジっすか!?」で充分乗り切れますが、雑談力を高めるのであれば、相槌の『さしすせそ』を覚えておきましょう。

飲み会の会話テク!営業の【さしすせそ】

「神様ナイス!」の相づちもおすすめ

か・・・感動します!
み・・・見事です!
さ・・・流石です!
ま・・・真似してもいいですか?真似します!
な・・・なるほど!
い・・・いいですね!
す・・・すごい!すばらしい!

『さしすせそ』同様に覚えやすい相づちフレーズ。とくに「真似してもいいですか?」はお調子者の先輩の笑顔を引き出せること間違いなしです。

何か特別なことをされているんですか?

雑談が体系化された本である「超一流の雑談力」でも推されていた魔法の相づち言葉。汎用性が高く、会話の拡張性もたかい最強のあいづち言葉です。

雑談にネタはいらない

雑談に話題が必要になるのは上級者

雑談をする際に付きまとう悩みが雑談のネタです。そんな悩みは雑談にある程度から自信を持ててから考えれば大丈夫です。

日経新聞を読まないと...最新トレンドをくまなく情報収集しないと...などと悩むよりかは、あいづちを上達させて、相手の話を聞くことに集中したほうがよっぽど効果的に雑談ができるようになります。

相違点に注目すればネタいらず

「雑談が苦手な人と上手い人の差」の中でも記載しましたが、相違点に注目することを覚えましょう。相手の情報収集して共通話題を探すこと、もしくは共通点を見出すことはテクニックのひとつとして挙げられますが、不要です。

事前準備するに越したことはありませんが、自分がわからないことを言っている相手には「なぜその領域に踏み入ろうとしたのですか?」「なんでそれを勉強したのですか?」と聞くことができ、自身との相違点が雑談の起点になります。

テレワーク下での雑談の仕方

ビデオ会議は大事

テレワーク下で大事にしたいのはチャットオンリーの文化にしないことです。相手の顔が見える、見えないという状況が変わるだけでも受け取れる情報量が大きく変わり、雑談を促進させます。

勉強発表会を設ける

テレワークで雑談タイムを作るのにもっともおすすめなのが勉強発表会です。勉強の内容をあえて制限せずにインプット→アウトプットを行えば、自然とくだけた雰囲気がつくれ、雑談しやすい時間がつくれます。

テレワークでの雑談は、スレやグループにいる上長やリーダーがいかに気を配ってるかで成否が別れます。部下や新人が、雑談するために切り込んでいくことは極めて難易度が高いです。

リーダーは雑談のもつ効果を認識して、意図的にゆるやかな空気が流れる場面を創り出しましょう。

雑談で相手を怒らせないコツ

NLPの5段階

NLPの5段階を覚えておく

雑談をする中で、なにかのはずみで相手を怒らせてしまうことを不安に思う方もいます。リスク回避として、NLPの法則を事前に覚えておきましょう。

NLPは心理学の一種であり、人間の行動や心理を1.アイデンティティ(自己認識)、2.価値観、3.能力、4.行動、5.環境の5つの意識レベルに分けて表したものです。

自己認識価値観の否定は人格否定

アイデンティティ(自己認識)と価値観・信念を否定する言葉には気を付けましょう。NLP5段階の上層2段の否定は、人格を直接傷つけ怒りに直結します。

3.能力や4.行動、5.環境への指摘は、心理学的に本人への気づきを与える内容になるので、有用だと言われています。

3つの行動心理学と笑顔

  • ・バックトラッキング:オウム返し+関連する質問の一言
  • ・ミラーリング:相手の行動やしぐさをコピーする
  • ・ペーシング:相手の話し方のスピードにあわせる

NLP以外で把握したいのが基本の行動心理学です。バックトラッキング、ミラーリング、ペーシングはどれも科学的に証明された好かれる行動なので、積極的に習得してください。

また、笑顔は最高の話法です。ニコニコ笑っているだけでも話し手は嬉しいものなので、笑顔を忘れずに話を聞きましょう。

雑談力のおすすめ本

マンガでわかる!誰とでも15分以上会話がとぎれない話し方

マンガでわかる! 誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方

絶対に読んで欲しい。「会話」についてここまでわかりやすく、体系化された本はありません。雑談うんぬんのまえに会話が上手い、下手の差分がよくわかります。

超一流の雑談力

超一流の雑談力

元祖・雑談本といえる、雑談のテクニックがまとめられた本。具体的かつ実践的なので、雑談力を真剣に上達させたいのであれば必見です。

雑談の一流、二流、三流

雑談の一流、二流、三流

雑談が出来る人とできない人の差を、一流二流三流にわけて解説。ある程度ものごとを体系化できたり、経験値をすでに積んでいる人にはおすすめできます。雑談力を上げる初歩の段階だと、1流の難易度が高くて厳しいかも。

雑談がおもしろい人、つまらない人

雑談がおもしろい人、つまらない人

雑談が面白い人とつまらない人の差分を説明。雑談上手は「目に見えること」を褒めることがうまく、目の前にないことや心にもないことを言う会話は場が白けさせるといったわかりやすいメッセージが多数あります。

雑談力が上がる話し方

雑談力が上がる話し方

人気TV番組「全力!脱力タイムズ」の大人気の齋藤孝先生の書籍。齋藤さんをテレビで見ている方であれば、本の読み込み力もグっと上がるはずです。

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