マネジメント

部下との面談を超良いものにする9つのポイントとやり方

面談する上司

「面談のやり方がわからない」
「急に面談を押し付けられた」

個人面談は、部下の成長を促すのに最高のアプローチです。上手な面談ができるようになると、1人1人の得意を活かした強い組織がつくれるようになります。

しかし、面談は基本的に無茶ぶり。上司になった途端に会社から面談を押し付けられ、不安を抱えたまま部下との面談を行っている会社はとても多いのです。

面談上手になるために、面談の意味を理解すること、そして面談のポイントと進め方を覚えていきましょう。

面談の意味

  1. フィードバック(成長を促す)
  2. 評価の伝達(評価・経過査定)
  3. 関係の質を高める

面談する意味は、大きく3つに分かれます。そして、上司が意識しなければいけないのは「フィードバック」であり、部下の成長を促す面談です。

日本企業の多くは、面談を「評価の伝達場面=査定面談」だと勘違いしているため、面談が意味のない場になっています。

フィードバック、評価の伝達、関係の質を高める行為はそれぞれ独立しておこなうわけではなく、組み合わさることで効力を増していきます。フィードバックを意識することから、面談内容を考えましょう。

フィードバックって何?

フィードバックの『フィード』は、“food”を語源とする『feed』であり、食べ物、つまり栄養を意味します。

つまり、フィードバックした者の成長を促進することが基本です。成長させられるアグリーがとれたか、成長を実感させられているか、それがフィードバックの重要な要素です。

▶フィードバックの正しい方法

なぜフィードバックが必要なのか

フィードバックは成長を促す行為ですが、より具体的に深ぼると「成果に対してのアウトプット精度を向上させる」ために必要です。

部下は自分自身で、行動が成果につながっているのか、自分が成長しているのかを考えることはできません。面談の機会を設け、フィードバックを重ねることによって、成果に対して正しいアウトプットを自主的に図れるようになっていきます。

部下との面談を良いものにする9つのポイント

面談の9つのポイント

ー面談前のtodoー

1.部下一人ひとりに面談のゴール設定を行う

面談される側のゴール設定を行うこと、これが一番大切です。ゴールが設計されていなければ、面談内容がブレていき、ダラダラと意味のない時間を過ごすことになります。

1人ひとりの状況に合わせ、ゴールを個別に設定することで、面談内容からズレても最後に帳尻を合わせることができます。

面談の意味は、フィードバック=成長を促すことですが、ゴールに向けて成長を促せるのが良い面談です。

2.『必ず聞く内容』の設定を行う

面談は、細かいマニュアルや杓子定規に行うと面白く無いので、各自(面談する人される人)の属人性に合わせて行なうべきです。

ただし、キャラに合わせた面談を行っていると、ゴールへのズレが生じてしまいがちなので、面談する側は聞くことをいくつか決めておきましょう。

面談目的が、例えば「営業数字をあげること」であれば、

  • 【面談の質問例】
  • 目標と現在の数字言える?
  • 課題は何だと思ってる?
  • 数字をあげるうえで、もっと会社にしてほしいことある?

この3つを聞けば、今後のスタンスと、今の仕事への取り組み方もマルッと把握した上で「売り上げをあげる」ためのフィードバックや、彼の未来に対して取り組まなければいけないことが見えてきます。

毎回同じ質問をする必要はありませんが、面談目的に合致するような質問を用意して当日に臨みましょう。

成長を確認する3つの質問

  • 【成長に関する質問例】
  • ・職業的に成長していますか?
  • ・精神的に成長していますか?
  • ・私(もしくは上司の誰か)はあなたの成長を促進させてますか?

聞く内容に困ったら、3つの質問を行いましょう。成長というのは誰しも根源的に興味を持てるワードであり、この3点の質問は、どれか必ず1つ面談される側が反応する引力を持っています。

とくに、最後の質問である「私はあなたの成長を促進させてますか?」を聞くことで、成長できていないのは部下のせいではないことも発見しやすいため、面談質問として取り入れてみるのがおすすめです。

3.面談記録を残す準備をする

面談内容をどのように残すかは事前にしっかりと決めておき、他上司に共有できるような仕組みを整えておきましょう。

面談記録を残しておかないと、その面談に意味があったか否かを確認できなくなり不利益です。2回目以降の面談をより良くするためにも重要なので、必ず面談記録を取りましょう。

ー面談の進め方ー

面談

4.面談はお礼と趣旨伝達で始める

面談の始まりは、忙しいなか時間をさいてくれたメンバーにお礼を言うことから初めます。面談を面倒に感じる上司はいますが、部下はもっと面倒に感じています。

そして、「何故面談をするのか」の趣旨を伝えましょう。趣旨を伝えることで、お互いに支離滅裂な話になることを防ぐことが出来ます。目的を伝えないまま始まる面談は、ただの雑談です。

アイスブレイクにポジティブな話

お礼と趣旨伝達ができたあとは、場の雰囲気作りのために軽い話題から入るのがおすすめです。面談に対するネガティブな感情を和らげるために、あえて雑談から入りましょう。

面談の目的は評価ではなく、部下の成長を支援をする場です。面談をネガティブな時間だと感じさせないように、ライトな話題を初めから準備しておくべきです。

5.現状を把握

面談は、相互理解を深めることで効力を発揮しやすくなります。そのために、質問や現状把握は、現状→過去→将来の順で話を進めましょう。

いきなり未来を語るのでもなく、過去の失敗や成功からはいるのでもなく、まず現状を理解しあうところからスタートをきると、会話の齟齬を防ぎやすくなります。

互いのストーリーを共有

相互理解をはやく築くには、仕事だけではなく、個々人の物語の共有が欠かせません。

信頼を築く最も簡単な方法は、互いをもっと知ること。他人の人生を知るほどにその人を嫌いになったり、疑う可能性は小さくなっていきます。

できる上司は、自分のストーリーを曝け出し、メンバーの様々なストーリーも把握しています。更にできるマネージャーは、チームに様々な人物のストーリーを共有し、仕事以外での強固な絆を自然に作っていきます。

6.相手に話をしてもらう

面談のコツは「相手に話をしてもらうこと」だと認識しましょう。相手から話を引き出せないようであれば、それは面談者の技術不足です。

「普段から、あいつはしゃべるタイプじゃない」と決めつけず、気持よく話してもらえるようにすべきです。そのために、

  • 日頃から部下と話す時間を意識的に持つ。量が重要
  • 部下の変化や達成したことのタイミングを把握しておく
  • 面談する前に、面談する人物の話を近しいメンバーから聞いておく

なにより重要なのは面談者自身のことを相手に知ってもらうことです。

面談者とは普段からのある程度の関係性をもつべきですし、ある程度の関係性がないのであれば面談すべきではありません。

7.話を深ぼる(落としどころを決めない)

面談の難しいところは、目的や聞く内容を決めていても、「落とし所を決めていてはいけない」ことです。

もし面談者が「コイツはこういうやつだから、こういうアドバイスをしよう」と決めつけを行なってしまっていたら、自分の求める発言を誘導するように質問を行なってしまいます。

面談は、現状を正しく認識するために率直な意見を聞く必要があります。

多くの話を聞いた中から、違和感を感じることや注力して聞かなければいけない点を発見し、その話を深く深く聞くべきです。見えていなかった真実や気付かなかった問題点に辿り着くことが出来ます。

  1. 【話を深く聞くコツ】
  2. 1.自己肯定感を高める質問をする
  3. 2.未来を向く・期待を伝える
  4. 3.業務目標以外の話題を与えて刺激する

自己肯定感を高める

話を深く聞くためには、相手がある程度ポジティブな気持ちになっていることが必要です。

  • 【肯定感を高める質問例】
  • ・この1ヵ月間行ったことを言ってもらう
  • ・学んだことを一言で言ってもらう
  • ・一言で言わせたことを具体化と抽象化をさせる
  • ・学んだ(成長した)ことを賞賛する

相手から話が出てこない場合は、「どんなことやったの?」と質問するのがおすすめです。より効果的なのは、頑張ったことを明確に思い出させるような質問をすることです。

本来は、学んだことや成長したことを話してもらい賞賛することが、最短で自己肯定感を高められます。

しかし、人は自己で成長認識をすることが難しいので、期間限定で行った仕事内容から『新しくできるようになったこと』を発見→伝えることで「自分は成長してるんだ」と肯定感をもってもらえるようになります。

結果のみを重視して、プロセスや成長については扱わない面談は、内容の深堀りに繋がらないので注意しましょう。

未来を向く・期待を伝える

  • 【良い面談対話例】
  • 部下に期待していることを共有している
  • 未来について問いかけを行っている
  • 次の行動や成長のための話し合いが行われている
  • 疑問を吸収するような問いかけを行っている
  • 肯定と否定をバランスよく保っている

話を深ぼるために、意識したい対話内容です。キーワードにしたいのは「未来」と「期待」です。

部下のできない点や他人と比較して出来ていないこと、失敗にばかり焦点を当てる面談は避けるべきです。

業務目標以外の話題を与えて刺激する

業務目標に向けての話にこだわると、「正直な話して怒られないかな...」と相手を萎縮させてしまいがちです。

おすすめのトークテーマは『チーム』です。どんなに人に無関心な部下であっても、関わる組織や近い組織についての見解は必ずもっているため、ネタ振りとして汎用性があります。

チームをトークテーマにするためにも、上司は組織の強みや弱み、個々人のバックボーンや経歴を把握しておき、メンバーのストーリーを話せるようにしておきましょう。

8.フィードバック

面談はフィードバックを行なってナンボの世界です。必ずフィードバックしてください。面談は評価の場ではなく、次の具体的な行動や成長のための助言プロセスの場です。

相手の成長につながることを言えているのか否かを意識しながら、深ぼった内容に対してアドバイスを行いましょう。

事実を伝えて未来の行動を策定

フィードバックの要。事実→行動策定です。

相手が辛くなるような現実にも目をそむけず、事実ベースで問題行動や課題を伝えましょう。相手は言い訳をしてくる可能性も十分にありますが、「事実」を話しているのであれば、正義は上司にあります。

お互いに問題を認識して、次回面談までの行動を策定しましょう。相手のレベルが低いようであれば上司が行動を考え、相手のレベルが高ければ一緒に行動を考えます。

腹を括る

事実をベースに対話するフィードバック面談は、ネガティブな緊張状態に陥りがちです。相手が全面的に受け入れてくれる保証はなく、敵意をもたれることすらあります。

しかしながら逃げてはいけません。大切なのは上司が好かれることではなく、部下が成長することです。ひたすら相手に向き合ったフィードバックを心がけましょう。

自己評価と他者評価のギャップを明確にする

部下が課題に感じていても、上司からすればまったく課題ではないことはザラにあります。

また、部下が課題に感じていないことが、組織や事業にとって課題なことも有りえます。部下の自己認識を確認し、ギャップがあれば課題は別にあることを伝えて、成長の軌道修正を行いましょう。

9.面談内容のとりまとめ

面談を終えたら、

  • どのような話をして
  • どのようなフィードバックを行ったか

を面談者・被面談者で確認を行い面談を終えます。

面談はこれで終わりではなく、面談者は次回面談まで、話し合った内容が活かされているかどうかを観察し、DOさせるように責任を負う必要があります。

面談後はファーストアウトプットに拘る

面談後には、面談内容が活かされているかのチェックを行うことが重要ですが、忙しい管理職はすべての面談の後追いができないのが現実です。

そこでおすすめなのが、「ファーストアウトプットを圧倒的なスピードで出させる」ことです。

アウトプットをだしてもらう→高速でフィードバックする→さらに良いアウトプットを出してもらうことが、良い成長スパイラルをつくります。

面談上手と面談下手の違い

面談上手と面談下手

面談上手 面談下手
機会を与える 助言だけ与える
増大理論を持つ 固定理論を持つ
フィードバックは日常から意識 フィードバックは面談時のみ
得意を認識させる 苦手だけを責める
テーマを集中させる 反応的になる
関係の質を重んじる 結果の質だけ重んじる

面談上手は機会を与え、面談下手は助言だけ与える

上司が部下に与えられるものは「機会(行動目標)」しかありません。機会を与えてしっかり「最後までやらせる」ことが大切で、ダメなところが修正してあげればよいだけです。

私達が与えられるのは機会でしかなく、機会に対するゴール設計と道標を与え続けることが肝要です。

面談上手は増大理論を持ち、面談下手は固定理論を持つ

人の知能レベルの発達について、大きく2つの学説があり「固定理論」と「増大理論」とよばれています。固定理論は「個人の能力は生まれつき決まっている」っているという理論、増大理論は「人の能力は可変である」という考え方です。

フィードバックを行う人材は「増大理論」側であるほうが、成長を支援している部下の成長がはやい傾向があります。さらに、増大理論が受け継がれていくため、組織の成長スパイラルがはやくなります。

面談上手は日常がフィードバックの場、面談下手は機会に頼る

フィードバックは面談時に行う!と捉えてしまうのは危険です。1on1面談など特別な面談時には非日常な空気が流れますが、翌日にはいつもの職場空間に引き戻され、フィードバックの内容はわすれられがちです。

日常からフィードバックを与え続けることで、真の目的である成長促進につなげることができます。機会を待つ必要はありません。1つの大きな城を築くより、1000のテントを張り巡らすことを意識すべきです。

面談上手はテーマを絞り、面談下手は反応的

部下の課題や質問に対して網羅的に会話していくと、複数の問題提議や解決策を考えることになり、部下が注力すべきことを認識しづらくなります。

上司も部下育成にブレが生じてしまいやすいため、デメリットばかりです。部下の課題や成長について、一番大切だと思えたテーマに絞って深堀りすることが、面談上手の基本です。

面談上手は得意を認識させ、面談下手は苦手にフォーカスする

できる管理職は、メンバーの「強み」や「売り」を自身に把握させることが上手です。得意を認識することができれば、彼らは武器を磨きやすくなり、結果も出しやすくなります。

  • ・人から感謝されることはなに?
  • ・周りは難しいと言ってるけど、自分は簡単だとおもってることは?
  • ・人から頼りにされるのはどのような部分?

面談時に得意を発見する質問を繰り返し、強みを自認→発揮させるべきです。それを各人に繰り返すことでチーム全体が得意を発揮し、行動し、相互補助することで組織が成長していきます。

面談上手は関係の質を構築する、面談下手は結果だけで議論する

マネジメントを円滑に行う基本は、関係の質、思考の質、行動の質、結果の質です(ダニエルキムの組織の成功循環モデル)。マネジメントを成功させるためには、まず関係の質を高めることから始めましょう。

部下(人間)は、非合理的な生き物であり、思考の質や行動の質の変化を求めても、否定的なスタンスをもっていると素直に向き合ってくれません。面談上手は、関係構築力が管理職の必須スキルだと知っているので、普段から信頼関係を築きます。

▶信頼関係を気づくための5つの要素

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