メンバーが望むような行動をとってくれなくて悩むことはありませんか。
上司の考える、理想的な行動や発言を主体的に行ってくれるようにするには、コンピテンシーマネジメントを学ぶのがおすすめです。
コンピテンシーとは
コンピテンシーとは、「成果につながる行動特性、行動習慣」を指します。一般的にコンピテンシーは「能力」や「行動傾向」と言われていますが誤りです。
メンバーのコンピテンシーを発見し、引き出し、成果に繋げていくことをコンピテンシーマネジメントと呼びます。
アイデアや行動力だけでは意味がない
アイデアが豊富であったり、何事にもチャレンジングな姿勢を見せるメンバーは評価してはいけません。大切なのは成果に繋がっているのか否かです。
コンピテンシーを見極める際には、あくまでも成果につながる行動なのかを考える必要があります。
コンピテンシーマネジメントのやり方
1.コンピテンシーレベルを把握する
- レベル5:自己のやり方を否定した行動ができる。ビジネスモデルを提唱する
- レベル4:今の状況を変化させる行動をとる。メンバーの行動を昇華できる
- レベル3:言われなくても行動する。最良の方法を自分で模索できる
- レベル2:言われて行動できる。当たり前のことまでしかできない
- レベル1:言われたことが追い込まれないとできない
コンピテンシーマネジメントはまず、相手のレベルを把握することが大切です。
コンピテンシーレベルの大事な点は、一気にレベルアップはできる人材は稀という点です。例えばレベル2のメンバーには、レベル3にあがるように求めるべきで、いきなりレベル4~5までの成長を求めてはいけません。
2.育てるのではなく「気づいてもらう」
コンピテンシーは、育てるのではなくて発見して、引き出すことが上司の仕事です。部下の話を聞き、成果につながっている行動を自身で語らせて承認することで、気づきを得させることができます。
部下は、どの行動が成果に直結していたのかを自身で把握することができません。上司が認めることによってはじめて「良い行動だった」と自己認識できるようになり、次回以降も同じ行動を行えるようになり「成果につながる行動」が習慣化されます。
吉田沙保里より強い人類は存在しないはずですが、コーチは必ずついています。相手の行動や話を見聞きし、相手自身に整理や言語化を行わせることで、コンピテンシーを引き出し認知させているのです。
コンピテンシーの引き出し方
- 「こういうやり方があっただろ!」の前に「なぜそうしたか」を聞く
- クローズドクエッションよりもオープンクエッションを重視
- 話をオウム返し&整理してあげる
コンピテンシーへの気づきを与えるのであれば、相手の話を聞き、相手に言語化を行ってもらうことが絶対です。
本人の思考を止めないように話を聞きつつ、整理された情報にするために言われたことをまとめてあげると、気づきを得させる近道になります。
3.コンピテンシーフィードバックを行う
相手のレベルを把握し、気づいてもらうマネジメントができたら、あとはコンピテンシーのフィードバックを行うだけです。
例えば「この1週間で、どの行動が良かったと思う?」という問いかけを行い、それに対してフィードバックを行いましょう。成果につながる行動を習慣化させ、成果に繋がらない行動を排除していけばコンピテンシーマネジメントはバッチリです。
コンピテンシーレベルの見極め方
- 過去より行動の種類が増えている
- 自身の行動を明確に覚えている
- 行動の意図や工夫が明確
- 学習量が増えている、変化している
- フィードバックを心地よい時間だと感じている
コンピテンシーレベルが上がっているかどうかは、5つの要素から判断することができます。コンピテンシーレベルの向上が見られない場合は、5つのうちのどれかができるように、本人に伝えると効果的です。
能力変化だけではレベル最高にはたどり着かない
スキルアップだけではレベル3が限界
能力を高めるだけでは、コンピテンシーレベルは3で止まってしまいます。レベル4以上に上昇させるためには、スキルアップだけでは難しく、能力開発だけでは成長が鈍化していきます。
行動特性を盗ませる
コンピテンシーレベルをは4以上にするためには、レベルが高い人物の行動特性を、自分で分析させることが重要です。他者のコンピテンシーに気づくことで、自分との差異にきづき、それを上回る行動にうつるきっかけになります。
強い意思を伝える
コンピテンシーレベルを最高値にするのに最も重要なのは、部下にその高みまで登ってほしいという強い意思を伝えることです。受け手は、もともと行動特性レベルが高いはずなので、目指すべき方向を教えてもらえれば自分自身でコンピテンシーレベルを高めてくれます。