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約7,500億円の音声コンテンツ市場【ビジネスモデル7選】

音声コンテンツ

音声コンテンツとは、音がメインになっているすべてのコンテンツを指します。海外はもちろん、日本国内においても、朗読サービスや個人配信サービスなどが大きく発展しているため、音声市場が大注目されています。

音声コンテンツ市場が熱い

Spotifyの大型買収劇

音の帝国と呼ばれるSpotify(音楽データを受信しながら再生するストリーミング配信で世界首位)が、Gimlet MediaとAnchorを買収しました。

同2社は、Podcastのコンテンツ制作会社大手であり、Spotifyが音楽以外の音声コンテンツに対しても世界最大手になる姿勢を明らかにして注目を浴びました。

podcastの音声市場

podcastの音声市場

PwCとIABが発表したレポートによると、Podcastの音声広告市場は2015年:約75億円→2016年:約130億円(前年比+73%)→2017年:約280億円(前年比+117%)と非常に大きな拡張を報告されています。

ここまで急拡大する市場は、過去をみても多くはありません。

参照:2018_IAB_Podcast_Ad_Rev.pdf

日本の音声市場

音声市場は日本国内においても魅力ある市場であり、総務省の「令和元年版情報通信白書」によると、音声コンテンツ市場の規模は約7,500億円を誇ります(日本のコンテンツ市場規模は11兆1,600億円)。

参照:令和元年版情報通信白書(PDF版)

音声コンテンツ・メディア市場が拡大する理由

  1. スマホとスマートスピーカーの登場
  2. 音声クリエイターとコンテンツ増加
  3. 暇の感覚拡張とながら視聴

1.スマホとスマートスピーカーの登場

国内音声市場の歩みは、ハードデバイスの進化と共にあります。レコードやCD、MDと徐々にデバイスが進化するとともに成長し、スマートフォンを媒介化することによって大きく市場が発展しました。

そして、2019年にスマートスピーカーやAirPodsなどのワイヤレスイヤホンの普及が爆発的に進み、音声は再びスマホがない状態でもコンテンツ化できる数少ない市場に昇華されました。

2.クリエイターとコンテンツの増加

品質の良い音声コンテンツの制作は、昨今までは法人が行ってきた領域です。しかしながら2018年以降にyoutubeが市民権を獲得し、個人のクリエイティブ力が大きく向上しました。たった一人でコンテンツ制作、クリエイティブ、企画ができる人材が増え続けているため、音声市場にもコンテンツの作り手が増え続けています。

2019年にソニー生命保険が行った「中高生が思い描く将来についての意識調査」の結果、男子中学生は1位「YouTuberなどの動画投稿者」。「プロeスポーツプレイヤー」、「ゲームクリエイター」が挙げられていたことは賛美両論大きな話題になりました。

この意識調査をみてわかるように今日よりも明日、明日より明後日にかけてクリエイター予備軍が増えていくことは明らかであり、音声コンテンツ市場には大きくプラスに働くことがわかります。

3.暇の感覚拡張とながら視聴

スマホを持つことが当たり前になった結果、移動するにしろご飯を食べるにしろ、スマホをいじっていることが当然になってきました。その結果、何か1つの行動をとっている際に、他の行動を並行しないと暇を覚えるようになってきています。

アプリマーケティング研究所さんのNOTE「スマホ普及による暇な感覚の拡張」でも同様の点が指摘されています。

スマホに慣れて多くの人が、交差点で信号を待ってるときを「暇だ」と感じる、エスカレーターに乗ってるときを「暇だ」と感じるように、

本来、暇ではなかった時間を「なんとなく暇だ」と感じてしまう、とくに若い人が増えているように思えます。

イメージとしては、「手の暇」「目の暇」「耳の暇」みたいなものがあり、そこに空白があると何かしらの手段で埋めようとする。

これがスマホが持っている、「家の中でのモバイル性」という特性によって、お風呂・布団の上・トイレ・洗面所などでも起こる。

とくに「手の暇」「目の暇」を埋めるコンテンツは多いものの、「耳の暇」を最適な形で埋めるコンテンツは、まだまだ多くないと感じます。

というのもあり、音声という文脈での「動画」に可能性を感じたり、スマホの最後の隙間時間は「耳の暇」なのではと思ったりもします。

本来暇ではなかった時間が暇と感じるようにった結果、必然的に耳の暇を埋めるような行動をとるようになってきているのは事実だと感じています。

参照:スマホ普及による「暇な感覚の拡張」目や耳が空いてると暇に思える感覚と、コンテンツの多重消費による音声コンテンツの可能性

音声市場のビジネスモデル例7つ

1.
  • radiko/ラジコ
  • ネットラジオサービス
  • 国内最強の音声コンテンツ
  • 2019年時点でユーザー約700万超

各放送局のラジオ番組を無料で聞けるサービス。独自コンテンツを配信する他インターネットラジオ放送と違って、普通に放送されている地上波ラジオ放送を同時刻・同エリアでそのまま配信している。各局が連携してできたサービスであり参入障壁は非常に高い。

2.
  • Voicy/ボイシー
  • ネットラジオ、音声配信サービス
  • allジャンル配信可能
  • ホリエモンや西野氏も参加

Podcastに最も近いといえる国内の音声配信プラットフォーム。Podcastは審査がないが、Voicyには審査があるなど品質の担保に努めつつ拡大を目指している。

3.
  • Himalaya/ヒマラヤ
  • ネットラジオ、音声配信サービス
  • allジャンル配信可能
  • 投げ銭機能が差別化要素

中国ではすでに巨大なプラットフォームとして君臨している。アメリカ、日本などにもお得意の投げ銭機能を差別化機能として展開中。映像ストリーミング配信で日本市場を狙うMildomのように、マーケティングにわかりやすくお金を絡めてくれると知名度が上がりそう。

4.
  • audible/オーディブル
  • オーディオブックサービス
  • amazon運営の世界最大級サービス
  • コンテンツが多いのが強み

オーディオブックとは、声優やナレーターが朗読する「聴く本」を指す。amazonが運営するaudibleは、プロのナレーターや声優が講読しているため、品質が高い。

5.
  • audiobook/オーディオブック
  • オーディオブックサービス
  • 株式会社オトバンクが運営
  • amazonに比べて料金プランが豊富

国内企業のオトバンクが運営。オーディオブックサービスでは国内最大手であり、UIUXのアップデート頻度も多いため今後に期待。

6.
  • flier/フライヤー
  • オーディオブックサービス
  • 書籍要約サービス『flier』の新機能
  • 要約部分をAIによる自動読み上げ

本の要約サービスとして、日本でもっとも有名なサービスであるフライヤーが、オーディオブック機能を追加して音声市場に参戦。1.2倍、1.5倍、2.0倍の倍速対応もあり、本要約サービスとして隙の無い仕様になってきた。

7.
  • Luminary/ルミナリー
  • 音声版のネットフリックス
  • 月額8ドルのサブスクモデル

Luminaryは1億ドルの資金調達をおこなった新進気鋭のサービス。有名ポッドキャストホスト(youtubeでいうyoutuber)と独占契約を結び、音声版のネットフリックスサービスを目指している。※日本での展開は未定

音声市場は、従来の音楽領域に加え、音声配信プラットフォーム、オーディオブックの2つが主流のビジネスとして育ってきています。

日本での音声市場の将来性

音声広告市場の発展が必要

音声広告(Audio Advertising)はラジオやSpotifyなどの音声メディア・音声コンテンツに対する出稿を指します。世界市場はポッドキャストのおかげで形成されている音声広告市場ですが、国内ではメディア・コンテンツ側の市場が立ち上がったばかりなので、まだまだ広告によるマネタイズは弱いのが事実です。

youtubeは、コンテンツが増える→視聴ユーザーが増える→個人に力がつきますますコンテンツが増える→視聴ユーザーが増える→広告が増えていく→市場が成り立つという流れを汲んできたため、音声広告市場もこれから大きく発展していくものと想定できます。

音声広告は動画に比べてスキップされにくく、情報を届けやすい利点があるものの、視覚情報よりも記憶定着しにくいデメリットがありますが、こちらもyoutube広告同様にポジティブに変化していくでしょう。

儲かるプレイヤーの出現で急拡大

音声メディア・音声コンテンツ市場の発展を、日本国における市場形成から学ぶのであれば、映像市場の形成を見ると良いかもしれません(時代と普及理由が酷似している)。

直近で日本映像市場が大きくなったのは、明らかにyoutubeの存在が大きく、個人・法人問わず儲かったため、新参プレイヤーが筍のように乱立した結果、市場が発展しました。

「鶏が先か、卵が先か」になってしまいますが、企業、それも日本の企業(もしくは個人)がお金を稼がなければ、プレイヤーが増えずに市場は次に進めないかもしれません。

参照:株式会社Voicyの決算/売上/経常利益※起業LOG

マーケティングが絶対

ここまで音声マーケットが大きくなっているのにも関わらず、実際にどのような音声コンテンツが存在しているのか知らない方が多いのは不思議です。書籍要約サービスやオーディオブックなど、潜在ニーズが100%あるサービスすら知られていなのは、優れたマーケティングが市場に存在していないせいなのかもしれません。

クリエイター募集訴求と利用訴求どちらにも強くアプローチできるような企業が出現すると、市場が次のステップに進める可能性が高いです。

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